昨年の12月1日このブログに掲載した
「 村山卓市長が市長選挙で当選後、初めて(?)金沢方式についてこたえた答弁が見つかりました (金沢市議会、金沢市会議録検索システムから抜粋)」
の、もう少し前後を含めた議事録を紹介します、さらにくわしい答弁をご希望の方は会議録を検索ください
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金沢市 令和 4年 6月 定例月議会 06月10日-02号
○坂本泰広副議長 34番黒沢和規議員。
〔34番黒沢和規議員登壇〕(拍手)
◆黒沢和規議員 令和4年度6月定例月議会に質問の機会を得ましたので、市議会自民党を代表いたしまして、数点につき質問いたします。
村山市長には、さきの金沢市長選挙におきまして、見事当選の栄に浴されました。本議場におきまして改めて祝意を申し上げますとともに、当初より私どもは市長の当選に向け支援をいたしてきておりますので、今後ともその立場に変わりがないことをまずは申し上げておきたいと存じます。この上は、市長には金沢市の発展とそのためのまちづくり、また市民の幸せ増進のため、全身全霊を傾注され、市政に御尽瘁いただきますことを御期待申し上げるものであります。私は、職員時代、その後市議会議員に転じてから今日まで、歴代5人の市長のけいがいに接し、今回新たに村山市長が就任されたことによりまして、さらに6人目の市長となりました。最初に接した徳田與吉郎市長は、私が市役所に奉
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ませんが、そのことは行政としては考えなければならない視点ではないかと思うのであります。市長には、今後金沢市政を担われていく中で、そうした基本的なスタンスでの行政を進めていくべきとも思うところでありますが、御所見をお尋ねするものであります。
また、関連してお尋ねをさせていただきたいのでありますが、それは近年における市民の価値観などの意識の変化についてであります。金沢には独特の校下意識や町会等、住む地域の連帯意識と言いますか、コミュニティー意識の強さがまちづくりなどを進める上で行政を支えてきたという面があります。そんな住民意識が今大きく変わってきており、いわゆる金沢方式という、他都市ではあまり見られない住民意識が日に日に薄れてきているという思いがいたして仕方がないのであります。その結果として、公民館の建築などの地元負担、地域住民によるいわゆる税外負担や消防団への協力金拠出など、これらに協力できないとか、廃止すべきとの意見が少なからず聞かれるようになってきたと思われるのであります。そして、そのことが町会活動や公民館活動の必要性をも否定する意見となったり、多くはそうしたことに無関心を装うというような風潮にもつながってきているように思えるところであります。私自身も、これまではいろいろな面での金沢方式というものは、金沢市民の古くからの共同連帯意識の発露としてあるものであり、むしろ住民意思の高さを表すものとして理解をしてきたものでありますが、多様な価値観が市民の中に醸成されてきた現況にあって、果たしてこのような考え方は今後も維持し得るものなのかという素朴な疑問を持つようにもなってきていることも事実であります。総務省のキャリア職員でもあった市長には、この金沢方式なる住民意識についてどう認識をされておられるのか、また、これから金沢市政を進めていく中でいかなる方向に進むべきとお考えになっているのか、お尋ねをいたすものであります。
最後に、市長には、今後の市政運営を進めていかれる中で、3,300人を超える職員とどのような形で向き合っていかれるのか、優秀なる本市職員の能力をいかに結集し、職務遂行していくのか、政策立案等に当たってはボトムアップの手法を取るのか、はたまたトップダウン方式を主とするのか、興味の持たれるところでもあります。また、市民や経済界、その他各種の団体等の意見等を聞き、集約し、これを昇華して政策等にいかにして具現化して実現していくのか、その抱負の一端をお聞かせ願いたいと思うのであります。そうしたことがなされて、初めて市長の言う親和力により市政が前進していくと存ずるのでありますが、このことをお聞きし、以上で私の質問を終わらせていただきます。市長には明快な御答弁を賜りますよう、御期待を申し上げる次第であります。(拍手)
○坂本泰広副議長 村山市長。
〔村山 卓市長登壇〕
◎村山卓市長 34番黒沢議員にお答えいたします。
世界に誇る文化都市金沢の実現に向けた、いかにその市政運営への思いを持っているかということでございます。本市には、今も息づく伝統文化や芸術文化、食文化をはじめ、新たな文化として広がりを見せたスポーツ文化、建築文化など幅広い文化が存在しており、これは国内で唯一無二の伝統と文化を誇るまちだと認識しております。こうしたことから、市民が文化を身近に感じ、触れる機会を創出することで、心と生活の豊かさの向上を図り、世界に誇る文化都市金沢を目指していきたいとの思いでこのように標榜させていただきました。
続いて、金沢に対する思いでございます。私は、母が金沢の生まれで、その縁を感じながら金沢市副市長として着任したわけでございますけれども、このたび市長選に立候補し、市長の職責を得るに当たって、本当に運命的なところを感じました。金沢は、他都市に住んでいた私から見ると、もう本当に唯一無二の都市だというように思っています。これは文化に触れ、それを考える方々が非常に多い、また、金沢を愛する方々が非常に多い、そのようなまちだと思っております。また、他都市から来た私にとっては新しい人間を受け入れてなじませる力がある、これは親和力にも関わるかもしれません。そういったものがあって非常にすばらしい地域だというように考えてございます。そういった思いを大事にしながら、さらなる市政の発展、そして市民福祉の向上に全身全霊を傾けるとともに、未来を見据えた金沢のまちづくり、そしてあらゆる世代にわたる市民の幸せのために、これから全力を投入していきたいと考えております。
親和力でございます。繰り返しになるかもしれませんが、私は、オーケストラ・アンサンブル金沢に代表されるような、この邦楽の盛んな土地でもそれを受け入れて新しいものへ、さらに新しい文化へと進化させてきた、また、金沢21世紀美術館も同じことでございます。金沢は、そういった新しいものを受け入れてそれをさらによりよいものに進化させる、そのような力があると感じております。それを親和力と考えておりました。そうした思いから、公約の中では、その物事を組み合わせたときの相乗効果だけでなく、人々が互いに親しみ、あるいは相互に語り合うことで新しいものが出てくるということを1つのキーワードとして置かせてもらいました。これからも市政を運営していくに当たり、市民の様々な立場の方々の話を伺いながら、それを政策として積み上げていきたいというように思ってございます。
文化観光モニターツアーにつきましては、これまでも金沢市では本物に裏打ちされた歴史や伝統文化を大切にしてまいりました。この質の高い金沢の文化に触れる観光を実践することが、文化都市金沢のステータスを高めていく、また、長期の滞在型観光へのリピーターを増やすことにもなるというように思っております。文化観光モニター
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にリーダーは行動すべきだというように思っております。そうした形で全庁一丸となって、職員と共に一つ一つの行政課題に応えていきたいと考えております。
続いて、全国交通系ICカードの導入についてです。路線バスへの導入の要望があることは承知しておりますが、これは費用が膨大になっていきます。また、現状では課題も多くて、北陸鉄道との間では、引き続き検討を続けていくということの意向を示されております。このため、共通ICカードの取扱いがなく、乗り降りの際に混雑することが多い城下まち金沢周遊バスからの導入を今回後押ししたいと考えております。導入することで観光客などの利用者の利便性が向上すること、また、金沢のまちとしての魅力が高まるとともに地域経済の活性化にもつながるということで、市民生活への好循環が期待できると考えております。
また、いわゆる金沢方式についての御指摘をいただきました。私は、金沢に来てこの金沢方式を知ったときに、正直本当に驚きました。
行政が他の地域では公民館等々を建てている、全額負担しているところが多い中で、この金沢方式というものが継承され、大事にされている、
これは様々な思いを持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、
例えば公民館や児童館を建築する際に、その建築に当たってのいろんな意見交換を本音で闘わせることができる、
そういったよい意味合いもここには生まれるんだなということを感じました。
金沢での町会、公民館、消防団、社会福祉協議会など、コミュニティーに関わる基礎的な住民組織では、善隣館や義勇消防の成り立ちに見られる希有な金沢の歴史性を根源に、連帯や共同の意識を住民に醸成しながら地域の暮らしやまちづくり、人づくりに密接に関わってきたと思います。
とりわけ金沢方式については、活動の自主性、自立性を担保することで地域の連帯を強め、協働を育むために大きな役割を果たしてきたというように思います。
一方で、御指摘いただいたとおり、これから人口減少、少子高齢化が進展する中で、地域負担の見直しが必要という声もあると承知しております。
この上は、庁内横断のプロジェクトチームにおいて金沢方式の課題などを整理した上で、今後の方向性を考えてまいりたいと考えております。
市政の運営に当たって職員とどのように向き合うかという御質問をいただきました。市政の運営に当たりましては、若手の職員のアイデアも大事にしながら庁内での議論を重ね、最終的には私が判断して議会にお諮りしながら事業を進めていくことになりますが、3,000人を超す職員のアイデアを、またその中での議論を積み重ねることによって、より効果的、効率的な事業の方法が生まれてくる、そのように信じております。これは1人のリーダーシップだけでは、そちらも大事になるところもあるかもしれませんけれども、それ以上の大きな価値が、職員一体となって事業を進めるという共通の課題認識や、あるいは一緒になって動かすんだという意識を持つためには、非常に大事なことだというように思っております。
また、市政運営の根幹となる新たな都市像につきましては、これからシンポジウムやワークショップなどを開催するほか、各種地域団体との意見交換を通じまして、多様な主体からの意見を反映できるよう、親和力というものを1つのキーワードにして意見交換を重ねながら、よりよい金沢市政を運営できるように議論を積み重ねてまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
〔「議長、34番、再質問」と呼ぶ者あり〕
○坂本泰広副議長 34番黒沢和規議員。
◆黒沢和規議員 市長、御答弁いただきましてありがとうございました。そうした中で、今個々具体的な例示もさせていただいた、質問をさせていただいたわけでございますけれども、それについてもお答えをいただいたところであります。なかったのもありますが、いただいたところでございます。私が申し上げたかったのは、個別のそうしたものについて、全体的な都市像であるとかそういうものの部分については、当然これまでの手法、いろんな形で練り上げられていくものであろうというふうに思っております。そうではなくて、一方では、地方自治体の基礎自治体としての市町村の在り方として、市民であったり住民のいろいろな要望であったり、それから実態であったり、そうしたものがあると、そんな中で市政に求められるものがあると、個別具体的なものであったとしても、そこをいかにして吸い上げをして市政に反映をしていくのか、そういうところの声も聞くというのが基本的な市政の在り方ではないのか、そこら辺の市長の気構えというか、お考えをお聞きしたかったというのがこの質問の趣旨でありますので、その点について、改めて大きな問題としてお答えをいただければと思います。
以上でございます。
○坂本泰広副議長 村山市長。
〔村山 卓市長登壇〕
◎村山卓市長 再質問にお答えいたします。
市長一人では市内の細やかなところまで目が配れるかというと、なかなか難しいところがあると思います。また、その即応性が求められる、対応が求められるものについて、これもなるべく早く判断したいと思う中で、よりよい解決策をつくらなければなりません。そういった中では、議員の皆さんに各地域での課題なども意見を言っていただきまして、またその議論を吸い上げていただいて、さらによりよい形で政策が打てるように検討してまいりたいというように思っております。ものによってはスピード感、そしてものによってはじっくりと検討する、そういった時間の尺度も踏まえながら課題に対して対応してまいりたいというように思っておりますので、これからも多くの意見を吸い上げていただく、またその意見を直接私にも届けていただく、そのようなことを期待しております。
以上でございます。
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